この記事でわかること
- 介護施設で離床センサーが必要とされる背景と、夜勤現場の課題
- 離床センサー 8つの種類 と、それぞれの検知方式・向き不向き
- 入居者タイプ別の使い分け(要介護度・認知症の有無・自立度別)
- 導入時の判断ポイント(誤報率・電池・無線連動・ナースコール連携)
- 令和8年度「介護テクノロジー導入支援事業」の活用ポイント(補助率最大3/4)
介護施設で発生する転倒事故の約6割は、ベッドまわり・夜間帯に集中しています。入居者の要介護度が上がるほど、介護スタッフの目が届かない時間の「離床」を把握することは、事故予防と夜勤負担軽減の両面で重要です。本記事では、介護施設で導入される 離床センサー8つの種類 を整理し、施設の状況・入居者タイプに応じた選び方を、当社(深川医療器)が広島・岡山・山口東部の施設への納品で培った知見もふまえて解説します。
なぜ介護施設で離床センサーが必要とされるのか
特養・グループホーム・有料老人ホーム・サ高住など、どの施設種別でも「離床センサー」が現場で必須の設備になりつつあります。背景には3つの構造的な課題があります。
課題1: 夜勤スタッフの人数不足
夜間は日中と比べてスタッフ配置が薄くなり、100床規模の特養でも夜勤帯は2〜3名の体制が一般的です。すべての居室を目視で見回るのは物理的に困難で、離床センサーが「代わりの目」として機能します。
課題2: 転倒・骨折リスクの高さ
厚生労働省の統計でも、介護施設内の事故報告のうち転倒・転落が最多を占めています。特にベッドからの起き上がり・立ち上がり時に転倒するケースが多く、離床の瞬間を早期検知できるかが事故予防の分かれ目です。
課題3: 認知症入居者の徘徊対応
認知症の入居者は昼夜逆転や徘徊が発生しやすく、居室から出た瞬間を検知して対応しないと、施設内転倒や誤薬・脱出などのリスクにつながります。
離床センサー 8つの種類と特徴
介護施設で導入される離床センサーは、大きく8種類に分類できます。それぞれ検知方式と設置場所が異なり、入居者の状態に応じた使い分けが求められます。
1. ベッドセンサー(マット型)
ベッドマットレスの上または下に敷いて、入居者の体重による荷重を検知するタイプです。離床センサーの中で最も普及しており、多くの介護施設・医療機関で標準的に採用されています。入居者の背中あたりに設置し、上体が起き上がって荷重が抜けた瞬間を検知します。
向いているケース: 起き上がり時の転倒リスクが高い入居者、寝返りが多くない入居者。
2. マットセンサー(床設置型)
ベッドの足元や居室の出入口の床に敷いて、踏まれた瞬間の荷重を検知するタイプです。ベッドから完全に降りた・居室から出た事実を確実に把握できます。
向いているケース: 歩行は安定しているが徘徊リスクのある入居者、居室からの離脱を把握したい場合。
3. クリップセンサー
クリップと磁石を紐でつないだ形状で、入居者の衣服にクリップを装着します。入居者がベッドから起き上がって一定距離を離れると、クリップから磁石が外れて通知される仕組みです。
向いているケース: 動きが多い入居者、ベッド上での体位変換が頻繁で誤報が出やすい場合。ただし、装着に協力が得られない認知症の方には不向きです。
4. ピローセンサー(枕下型)
枕の下に敷いて、頭の位置が枕から離れた瞬間を検知するタイプです。ベッドセンサーよりも早い段階(頭を上げた時点)で通知できるため、より早期の対応が可能になります。
向いているケース: 疾患などで安静が必要な入居者、動作制限のある入居者、離床の予兆を早く掴みたい場合。
5. タッチセンサー(柵・手すり型)
ベッドの柵や手すりに設置し、入居者が触れたり握ったりした瞬間を静電容量で検知するタイプです。柵につかまって起き上がろうとした瞬間を捉えます。
向いているケース: 手すりや柵を使えば自力で起き上がれるが、立位・歩行が不安定な入居者。誤報が少なく、動きが素早い方にも対応しやすいのが特徴です。
6. 超音波・赤外線センサー(非接触型)
ベッドの脇や天井付近に設置し、超音波または赤外線ビームで人の動きを非接触で検知するタイプです。マット・クリップのように入居者に触れるものがないため、違和感なく設置できます。
向いているケース: 装着物を嫌がる入居者、認知症で機器を外してしまう方、居室の広範囲を検知したい場合。
7. ベッドサイドセンサー
ベッドの脇(床)に設置するマット型で、ベッドから足を下ろした瞬間を検知します。マットセンサーより設置面積が狭く、ピンポイントで「離床動作の開始」を捉えます。
向いているケース: 起き上がりから立位までの間に検知したい場合、ベッド脇のスペースが限られている居室。
8. 車椅子・トイレコール(周辺型)
車椅子のクッションや便座に設置するタイプで、入居者が離れたことを検知します。トイレでの長時間滞在や、車椅子から立ち上がる際の転倒リスクに対応します。
向いているケース: 車椅子利用者の見守り、トイレ動作でのリスク管理、日中活動場面での見守りを強化したい場合。
入居者タイプ別の使い分け
離床センサーは「これが正解」という単一の答えがなく、入居者の状態と施設の運用体制に応じた使い分けが不可欠です。代表的な組み合わせを整理します。
| 入居者タイプ | 推奨センサー | 選定理由 |
|---|---|---|
| 寝たきり・体位変換が少ない | ベッドセンサー / ピローセンサー | 誤報が少なく、離床の予兆を捉えられる |
| 認知症で徘徊リスクあり・歩行安定 | マットセンサー / 超音波・赤外線 | 居室出入口での確実な検知、装着物なしで違和感なし |
| 柵を使って起き上がれるが立位不安定 | タッチセンサー | 柵に触れた瞬間を捉えて事故を予防できる |
| 動きが多い / 装着物を受け入れる | クリップセンサー | 動作を追随でき、離床距離を柔軟に設定できる |
| 車椅子利用・日中の見守り | 車椅子センサー / トイレコール | 車椅子・トイレでのリスクに対応 |
| ベッド脇での予防を優先 | ベッドサイドセンサー | 起き上がり後、立ち上がる直前で検知 |
導入時の判断ポイント
センサーの種類選定と並行して、以下の観点で製品・業者を比較することをおすすめします。
- 誤報率: 誤報が多いと現場が「オオカミ少年化」してしまい、本当の離床通知への反応が鈍る。実運用データを業者に確認
- 電池寿命・電源方式: 電池交換の頻度は現場運用負荷に直結。有線電源が可能な機種もある
- 無線・ナースコール連動: 既存のナースコールと連動できるかで、スタッフの動線が変わる
- 複数種類の混在運用: 入居者の状態変化に応じてセンサーを切り替えられる体制が理想
- データ蓄積・分析機能: 離床パターンを可視化できる機種は、ケア計画の見直しにも活用可
令和8年度「介護テクノロジー導入支援事業」の活用
離床センサー・見守り機器の導入では、令和8年度介護テクノロジー導入支援事業(旧称: 介護ロボット・ICT導入支援事業)の活用を強くおすすめします。厚生労働省が2026年4月に都道府県へ実施要綱を発出しており、多くの都道府県で公募が順次開始されています。
- 補助率: 通常 1/2、パッケージ型導入(複数機器のセット導入)で 最大 3/4
- 補助上限額: 都道府県により 400万〜1,000万円の範囲
- 重点支援対象: 見守り機器・介護記録ソフト・インカムの3種類は業務時間削減効果が確認されている
- TAIS登録の確認: 対象製品がTAIS(福祉用具情報システム)登録されているかを事前に確認しておくと申請がスムーズ
広島県・岡山県・山口県も本事業を実施しており、募集時期・上限額は各県で異なります。導入検討時は、対象製品の確認と申請スケジュールを早めに把握しておくことが重要です。
当社(深川医療器)の見守りセンサー導入支援
当社は広島・岡山に6拠点を構え、山口東部までカバーする介護福祉商材の専門商社として、施設の状況に応じた見守りセンサーの導入提案を行っています。取扱メーカー・製品ラインナップの詳細は、お気軽にお問い合わせください。
特に、以下のようなお悩みをお持ちの施設様に、実務ベースでの提案が可能です。
- 「どのセンサーが自施設に合うか判断がつかない」
- 「令和8年度の補助金を活用したいが、対象製品と手続きが分からない」
- 「既存のナースコールと連動できるか事前に確認したい」
- 「入居者の状態が変わるたびにセンサーを買い替えるのは避けたい」
介護施設の見守りセンサー導入をご検討中の方へ
広島・岡山・山口東部の介護施設経営者・施設長の皆様を対象に、離床センサー・見守り機器の選定〜導入〜補助金申請サポートまで、一貫したご相談を承っています。令和8年度介護テクノロジー導入支援事業(補助率最大3/4)の活用可能性を含めた個別ご提案が可能です。
よくあるご質問
Q1. 離床センサーは1施設で何種類くらい併用しますか
施設規模・入居者構成により異なりますが、100床規模の特養であれば 3〜5種類 を状態別に使い分けているケースが一般的です。単一種類だけだと入居者の状態変化に対応できず、また誤報や検知漏れも増えるため、複数種類の組み合わせが実運用の正解となります。
Q2. 補助金の申請は業者に依頼できますか
令和8年度介護テクノロジー導入支援事業の申請書類作成は、当社を含む多くの取扱業者がサポートしています。TAIS登録の確認・見積書の準備・必要書類の整備までを一括で相談できるので、初めての申請でも安心して進められます。
Q3. 電池交換や保守はどれくらいの頻度で必要ですか
製品により異なりますが、電池式のセンサーは 6〜12ヶ月 に1回の電池交換が目安です。定期メンテナンス契約を業者と結んでおくと、スタッフの負担が大きく減ります。
Q4. 既存のナースコールと連動できますか
ナースコールのメーカー・型番により対応可否が変わります。事前に既存機器の型番と、導入検討中のセンサーの通信方式(無線・有線)を照合しておくことが重要です。事前調査は当社でも承ります。
Q5. 認知症の入居者が装着物を外してしまう場合はどうしたら良いですか
クリップセンサーなど装着型ではなく、マットセンサー・超音波/赤外線センサーなど「装着物なし」で検知できるタイプを選ぶのがおすすめです。ベッドセンサーも装着不要ですが、ベッド上での体位変換で誤報が出やすい場合は、ピローセンサーや床設置型に切り替える選択肢もあります。
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介護施設のコスト削減・経営改善を多面的に進めたい方へ
見守りセンサーと合わせて、消耗品費・電気代の削減も施設運営のカギです。
まとめ
介護施設の離床センサーは、単一の万能製品はなく、入居者の状態と施設の運用体制に応じた使い分けが不可欠です。8つの種類それぞれに得意な検知シーンがあり、複数種類を組み合わせて運用するのが実運用の正解です。
そして経営判断の観点では、令和8年度介護テクノロジー導入支援事業(補助率最大3/4)の活用が大きなポイントになります。単に「安い機器を選ぶ」ではなく、施設全体の見守り体制を最適化しつつ、補助金で初期投資を圧縮する視点が重要です。
広島・岡山・山口東部で施設運営に携わる皆様、離床センサーの選定・導入・補助金活用について、当社の6拠点体制で伴走支援いたします。お気軽にご相談ください。
参考情報
- 厚生労働省「介護テクノロジー導入支援事業」実施要綱(令和8年度)
- 厚生労働省「介護保険施設等における事故報告」統計
- TAIS(福祉用具情報システム)登録機器情報
- 各都道府県「令和8年度介護テクノロジー導入支援事業」募集要項